温泉とは?種類・効能・泉質を初心者向けにわかりやすく解説!【銭湯との違いも】

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先日の山形旅行で、普通の湯と温泉とでは、疲れの取れ方がまったく違うことに気づきました。

この違いは気のせいなのか、はたまた何か理由があるのか…。

改めて「温泉とはなんなのか」を知りたくなり、その全体像を調べてみました!

日本には温泉法があり、温泉には法律上の定義があります。

温泉…地下から湧き出る水や蒸気、ガスのうち、
温度が 25℃以上、あるいは一定量以上の鉱物成分を含むもの

温泉法…温泉を保護し、温泉の採取などに伴い発生する加熱性天然ガスによる災害を防止し、温泉の利用を適性を図ること。
国(環境省)が基準を定め、各自治体が管理している

つまり、必ずしも熱いお湯である必要はなく、成分を多く含む冷たい温泉も存在。

地中で長い時間をかけて温められ、さまざまな成分を溶かし込んだ水が、地表に現れたものを指します。

日本は火山が多い国であるため、地下に温泉が生まれやすく、全国に約3,000以上の温泉地があるといわれています。

まさに、温泉大国と呼ばれるゆえんです。

温泉は、湧き出る仕組み(成因)によっていくつかの種類に分けられます。代表的なのは以下の3つです。

火山性温泉
火山活動によって地下水が温められてできる温泉。日本の多くの温泉地はこのタイプ。

例:箱根温泉(神奈川)、草津温泉(群馬)など

非火山性温泉
地熱によって温められた地下水。火山がない地域でも見られる。

例:有馬温泉(兵庫)、白浜温泉(和歌山)など

深層地下水型温泉
地下深くの水をくみ上げたもの。都市部のスパ施設などに多い。

例:東京の「黒湯」、皆生温泉(鳥取)など

旅行先で入る温泉も、実はこうした違いがあり、同じ温泉でも背景はさまざまです。

さらに温泉の特徴を大きく左右するのが泉質です。含まれる成分によって分類され、それぞれに異なる効能があります。

温泉の効能(適応症)はどの温泉でも共通の「一般的適応症」と、泉質ごとに異なる「泉質別適応症」の2階建てになっています。

共通の効能(一般的適応症)…どの温泉でも温熱効果リラックス効果によって以下の症状に効くとされている
筋肉痛、関節痛、冷え性、胃腸機能の低下、疲労回復、ストレスによる諸症状(睡眠障害など)

環境省が定める掲示用泉質名は以下の10種類。泉質別適応症とともにご紹介します。

単純温泉
刺激が少なく、体にやさしい泉質。温泉初心者にも入りやすいとされています。

例:下呂温泉(岐阜)、道後温泉(愛媛)など

肌に優しい。子供から高齢者まで安心して入れる

塩化物泉
体が温まりやすく、湯冷めしにくいのが特徴

例:熱海温泉(静岡)、指宿温泉(鹿児島)など

塩分がパックのように肌を覆う。湯冷めしにくい

炭酸水素塩泉
肌の古い角質を落としやすく、「美肌の湯」

例:川湯温泉(和歌山)、嬉野温泉(佐賀)など

角質をやわらかくする。清涼感あり

二酸化炭素泉
炭酸ガスが溶け込んで、血行を促進する「心臓の湯」

例:長湯温泉(大分)、みちのく温泉(青森)など

血行を劇的に良くし、高血圧症に効果的

硫酸塩泉
肌の蘇生を助ける「傷の湯」、「若返りの湯」

例:伊香保温泉(群馬)、玉造温泉(島根)など

傷の治りを早め、動脈硬化の予防にも良い

含鉄泉
鉄分が多く、空気に触れると茶色に変化。貧血に良いとされる「婦人の湯」

例:有馬温泉(兵庫)、鳴子温泉(宮城)など

鉄分を補給し、貧血のや更年期障害に悩む方に人気

酸性泉
殺菌力が非常に高く、肌のピーリング効果がある「皮膚病の湯」。刺激は強め。

例:草津温泉(群馬)、玉川温泉(秋田)など

古い角質を溶かすが、刺激が強いため入浴後は真水で洗い流すのが一般的

含よう素泉
強い殺菌力を持つ「殺菌の湯」。独特の薬品のような匂いのする希少な泉質。

例:白子温泉(千葉)、新津温泉(新潟)など

強い酸化力で甲状腺などの代謝系にも関わる

硫黄泉
硫黄の香りが特徴で、温泉らしい温泉と感じる人も多い泉質。「生活習慣病の湯」

例:登別温泉(北海道)、箱根大涌温泉(神奈川)など

代謝を促し、高血糖や動脈硬化に良いとされる

放射能泉
微量のラドンを含み、免疫力を高めるホルミシス効果が期待される「万病の湯」

例:三朝温泉(鳥取)、増富温泉(山梨)など

痛風や間接リウマチに特効あり

こうした効能・泉質の違いも、温泉巡りの楽しみのひとつです。

温泉は泉質だけではなく液性(水素イオン濃度・pH値によっても肌への感じ方が変わります。同じ温泉でもピリッとする、つるつるするといった違いは液性によるものです。

■ 酸性(pH3未満)
肌を溶かす力が強く、殺菌効果あり(火山性に多い)温泉らしい効いてる感じを実感できる。

■ 中性(pH6〜7.5未満)
最も一般的で肌に優しい。クセがなく、長く入っても疲れにくい。

■ アルカリ性(pH8.5以上)
肌の角質をやわらかくし、ツルツルにする「美肌の湯」

アルカリ性単純温泉という名前があれば、成分はシンプル(単純温泉)、性質はアルカリ性という意味となります。

温泉の色は、見た目の印象を大きく左右するポイントです。

実はその色の違いは、溶けている成分と光の当たり方の組み合わせ。泉質によってほぼ決まっています。

多くの源泉は湧き出した瞬間は無色透明で、空気に触れ、時間が経ったりすることで色が変わります。

乳白色(白濁)

  • 成因:火山性
  • 泉質:硫黄泉
  • 液性:酸性〜中性
  • 理由: 硫黄成分が空気に触れて酸化し、白い微粒子(湯花)になるため。
  • 例: 草津温泉(群馬)、万座温泉(群馬)
出典:草津三湯 https://onsen-kusatsu.com/

茶褐色・赤色(にごり湯)

  • 成因:どちらも(地層由来)
  • 泉質:含鉄泉
  • 液性:中性〜酸性
  • 理由: お湯に溶けていた鉄分が空気に触れて「サビ」の状態になり、濁るため。
  • 例: 有馬温泉(金泉)(兵庫)、伊香保温泉 (群馬)
出典:太閤の湯(有馬温泉) https://www.taikounoyu.com/

黒色・琥珀色(黒湯)

  • 成因:非火山性(平野部・沈降地域型)
  • 泉質:炭酸水素塩泉、塩化物泉
  • 液性:アルカリ性
  • 理由: 太古の植物が分解された有機物(モール成分)が溶け込んでいるため。
  • 例: 東京の銭湯、十勝川温泉(北海道)
出典:HOKKAIDO LOVE!(十勝川温泉)https://www.visit-hokkaido.jp/spa/spot/detail_10609.html

■ 青色・エメラルドグリーン

  • 成因:火山性
  • 泉質:硫黄泉、またはメタケイ酸が豊富なもの
  • 液性:中性〜弱アルカリ性
  • 理由: 微粒子が光の青い波長だけを反射する(レイリー散乱)ため。
  • 例: 別府温泉(海地獄)(大分)、月岡温泉(緑色)(新潟)
出典:ゆこゆこ(別府温泉) https://www.yukoyuko.net/onsen/1327

■ 無色透明(清澄)

  • 成因:非火山性(深層地下水型)に多い
  • 泉質:単純温泉、塩化物泉、硫酸塩泉
  • 液性:中性〜弱アルカリ性
  • 理由: 色のつく成分(鉄・硫黄など)が少なく、成分が完全に溶けきっているため。
  • 例: 天童温泉(山形)、下呂温泉(岐阜)、道後温泉(愛媛)
出典:ゆこゆこ(下呂温泉) https://www.yukoyuko.net/onsen/0053

緑黄色

  • 成因:火山性
  • 泉質:硫黄泉、炭酸水素塩泉
  • 液性:中性〜弱酸性
  • 理由: 鉄分と硫黄の混ざり合いや、複雑な成分バランスで独特の色味になるため。
  • 例: 熊の湯温泉(長野)、志賀高原周辺(長野)
出典:アスペン志賀 https://www.aspen-shiga.com/

成因(種類)によって泉質も液性も傾向が分かれます

火山性温泉非火山性(深層地下水型)
主な泉質硫黄泉、酸性泉、硫酸塩泉塩化物泉、炭酸水素塩泉
主な液性酸性になりやすいアルカリ性になりやすい
特徴刺激が強く、薬効が高いマイルドで、肌を滑らかにする

これらが組み合わさり、「火山性の酸性硫黄泉」や「非火山性のアルカリ性単純温泉」といった種別で語られるのです。

こうして見てみると、温泉は単に気持ちいいお湯ではなく、それぞれに個性を持った存在だということがわかります。

国民保有温泉地…温泉の利用促進を狙い、温泉法の第29条にて全国の各温泉地が指定されている。
条件は、温泉利用の効果が十分期待され、健全な温泉地としての条件を備えていること。
・源泉…効能の高さ、湧出温度、湧出温度
・温泉地…健全性、周辺の景観、保有地としての環境、厳選を利用した医療設備、スタッフの充実、交通の便、災害に対する安全性
2019年で80か所が指定されている。
蔵王温泉・銀山温泉(山形)、四万温泉(群馬)・みなかみ町国民保有温泉地(群馬)、湯布院温泉郷(大分)など

温泉と銭湯の違いは、水の由来によります。

■ 温泉…自然に湧き出た水(またはそれに準ずるもの)
■ 銭湯…水道水を沸かしたもの

温泉が温泉法に基づく一方、銭湯は公衆浴場法に基づきます。最近は、銭湯でも温泉水を使っている施設や、温泉のような成分を再現したお風呂もあります。

温泉は露天風呂、サウナ、休憩室、お食事処などが充実しているところが多く、レジャー的な側面があり、娯楽や療養が目的。施設ごとに自由に料金を決められます。

銭湯は、番台やコーヒー牛乳など、昔ながらの地域のコミュニティの雰囲気が残っているのが特徴です。地域住民の生活を守るための施設などで、都道府県ごとに入浴料金の上限が決められており、ワンコイン前後で入れます。

スーパー銭湯は銭湯の料金ルールに縛られない温泉施設と銭湯の中間的な存在。温泉街にある銭湯は、安くて良質な温泉が楽しめるスポットです。

源泉掛け流し…以下の3つの条件が揃っていることを基準としている
・新しいお湯を常に注いでいる
・お湯を再利用しない
・加水・加湿が制限されている
多くの健康ランドや大規模ホテルでは循環ろ過式が採用されている

運び湯…スーパーホテルなど、都会のど真ん中にある店舗でも温泉があるのは、近くの温泉地からタンクローリーで本物の温泉を運んでいる

こうした特徴を踏まえて、あらためて実際に人気のある温泉地を見てみました。

全国の温泉地ランキングは選ぶ基準によって順位が変動しています。じゃらん人気温泉地ランキング2016、にっぽんの温泉100選の傾向から総合的なトップ3をまとめます。

1位:箱根温泉(神奈川県)

  • 圧倒的なアクセスの良さと、17もの源泉(箱根十七湯)による多彩な泉質。
  • 火山性。透明な単純泉から、大涌谷由来の白濁した硫黄泉まで勢ぞろい。
出典:箱根ナビ https://www.hakonenavi.jp/guide/hotspring/

2位:草津温泉(群馬県)

  • 「湯畑」を中心とした圧倒的な温泉街の雰囲気と、強力な殺菌力。
  • 火山性・酸性泉。これぞ温泉!という硫黄の香りと、ピリッとする刺激が人気。

3位:別府温泉郷(大分県)

  • 源泉数・湧出量ともに日本一。「地獄めぐり」など観光の楽しさも抜群。
  • 火山性。青い海地獄や赤い血の池地獄など、色のバリエーションも○。

名だたる温泉地を押さえた名泉は、圧倒的な個性と安定感が光っています。

調べてみると、温泉は思っていたよりも、多様な成分や背景を持っていました。温泉に掲示されている種別名称や説明書の理解が深まります。 

今の体調や悩み、気分に合わせて泉質や液性を選んでみても楽しそうです。さて、次はどこの温泉街に出向かいましょうか!