サムネイル引用元:Kohh公式YouTube
WHO IS Kohh?
筆者はKohhをVICEという媒体のYouTubeチャンネルの企画から知りました。
Kohhは東京都北区王子出身で、隅田川沿いの団地出身。
父親は亡くなっており、母親は薬物中毒だったといいます。
団地は低所得者が多く住み複雑な家庭が多いという側面がある一方、いつでも友達と会えるという環境があり一体感が生まれるという特色もあるそうで、周辺にあふれる薬物などのダークな誘いから逃れ、ヒップホップで食べていくという道を見つけた同志たちとやりたい音楽を軌道に乗せていきました。
中学校時代に川沿いの壁一面にみんなで落書きを描いてたというのだから筋金入りです。
カッコよかったのがこのようなアウトローな地元を気取るのではなく、そこで生まれて育ってたまたま川沿いで、ここが地元だから好きなだけと淡々と語っていたことです。
フロウも声も歌詞も一流な天才にして秀才のkohh!
早速音源を聴いてみたところ、すぐに虜になりました。
ビートジャックというミュージックにストレートな日本語を組み込んだスタイルで、原曲のビートに乗せてKohh独自のフロウでラップをします。
私が聴くようになったきっかけは『毎日だな』という曲。この曲はKanye Westの『All Day』という曲のビートジャック。
アメリカで流行のトラップスタイルで原曲のラップはとても早口なのですが、Kohhは日本語のラップがストレートに伝わるようなテンポのラップです。
そもそもの原曲がイカしてるうえにそのアレンジも一流。Kohhのまるで喉が楽器なのではないかという声質でするストレートな歌詞のラップが最高にカッコいいです。
それに加え細身の体におしゃれな服を着て、りりしくも隠し切れない気の良さが伝わってくる風貌。
ミュージックビデオはレコーディング風景の様子を模して撮っているようで、その右手にはiPhoneを持って歌詞を見ます。
歌詞を書いてるのも、当然のようにiPhoneで。そのスタイル全てがイカしているわけです。
中毒性のある『毎日だな』で勇気をゲット!
そんな多くの魅力を持っているKohhが書く歌詞は気取らず、枠にはまらず、彼が今思ってることをそのまま日記のように語っていることが多いです。
また、その出生から生まれたであろう自分の信条を何度も確かめるように唱えることも多くみられます。
よく語っているのが「ただ生きるだけ」「死ぬまで生きるだけ」、その中で「自分の周りが最高、ヘイターは気にしない」「そんな人生最高」といった趣旨のもの。
Kohhの歌詞は早くに父を亡くし、また友人の死も経験し死を身近に感じる機会が多かったからか、死をいつも前提としています。
「死」をゴールとして「今」に焦点を当てて、好きな人に囲まれ好きなことをする。それを「毎日」することが「毎日」で、そういった日々こそが人生だと。
どこか小学生の作文のような言い回しにもとれますが、高度なラップとビートに乗せられ子供騙しのように聞こえません。
言いたいことがすんなり入ってきてそのストレートなものいいにハッとなり、自らの「毎日」を省みる。もしかしたら自分の心に素直に従っていい…?やりたくないことって、もしかして、やらなくていい…?と思いをはせ、何度もリピートできる中毒性のある楽曲です。
『まーしょうがない』と『気楽にやる』という曲も、『毎日だな』とは全く違うゆるい曲調ですが、同じくマイペースに生きることを提示しています。
そんなに真面目に考えずに自分がやりたいことをやっていけば、それが結局人のためになっていくのかもしれない。
必要なのは、ただ最高の毎日を送るという勇気だけなのかもしれないと思わせてくれます。